月に一度の仕事をしない日。枠の「全社会」を紹介します。
枠のブログをご覧いただき、ありがとうございます!
枠の広報担当・ナカタです。
今回の枠ブログでは、社内で月に1回欠かさず開催している「全社会」をご紹介します。「全社会」と聞くと、一般的には全社員が参加して会社の事業戦略や経営方針の共有を行う催しをイメージしますが、枠の全社会は「仕事には直接関与しない」内容が多めです。ほとんどの社員が集まる全社会で、仕事に直結しない取り組みを行う狙いとは? 開催目的や内容を、弊社代表・白井さんに伺いました!
丸一日、クライアントワークはお休み。枠の「全社会」って?
ナカタ:白井さん、本日はありがとうございます。さっそくですが、枠の「全社会」では毎月、どんな催しが行われているのか教えてください。
白井:毎月内容は少しずつ違いますが、だいたい下記の内容で行っています。
1.関係環境ボードの更新&掃除
2.エゴグラム会議
3.営業戦略会議
4.開発会議
5.夜会(交流会)
関係環境ボードの更新&掃除
白井:まずはじめに、関係環境ボードに貼られている写真や付箋をスクラップブックに貼り、その後に全員で1ヶ月分の掃除をします(関係環境ボードについて、詳しくはこちらのブログもご覧ください)。スクラップブックにまとめておいて、いつでも「この月に枠になにがあったか」を振り返ることができるようにしています。「こんな人が遊びに来てくれた」「こんなものが新しく社内に導入された」といった出来事を思い出しながら整理することで、出会いや環境のアップデートに気づき、感謝する時間にしています。
それが終わったら掃除をします。全社会のスタートを気持ちいいものにしたいと考え、一日の始めに掃除と感謝を行うようにしています。

エゴグラム会議

ナカタ:エゴグラム(※)会議は、以前にブログでご紹介したものと同じ内容でしょうか?
※エゴグラム…いくつかの質問に基づき、回答者の性格を全243パターンに割り振って分析する、いわゆる性格診断テストのこと。枠ではエゴグラム診断に絡めた一ヶ月の振り返りと、自分のお気に入りコンテンツを紹介する時間を合わせて「エゴグラム」と呼んでいます。
白井:いえ、既存のエゴグラム会議の内容を改変して、現在は社員全員の目標発表の時間も兼ねています。挙げられる目標は「旅がしたい」「体脂肪を落としたい」「絵本を作りたい」など、仕事に関連することばかりではなくプライベートに関する事柄が多いです。
目標の内容とエゴグラムの診断結果を見ながら、性格にあった目標達成の方法をみんなでアドバイスします。
「目標は他人に方法を考えてもらった方が達成しやすい」という俗説を検証するための取り組みで、仕事でもプライベートでもみんなが気持ちよく過ごせるよう実験的に行っています。
営業戦略会議
白井:「営業戦略会議」は全社会の中で唯一、経済活動と直結する取り組みです。各部署で分かれて、自分たちのKPIを達成するための目標を発表して、社員全員で目標達成に向けての意見交換をしています。普段仕事をしていると、それぞれが自分のタスクをたくさん抱えながら働いているので「人に頼る」という選択肢が浮かびづらい。なので、月に一度の営業戦略会議で人前で目標を発表して、自分のピンチや余裕を共有し、助け合いの空気を作るようにしています。
意見交換以外には、マーケティングを強化する取り組みを実施しています。フレームワークとして、営業戦略会議の中でマーケティングについて話し合う時間を作り「このお客様に対してはこういうアプローチをしよう」と具体的な内容を煮詰めています。
他には、関係環境ボードの要素を仕事に発展させる取り組みも、営業戦略会議の中で行っています。関係環境ボードに名前が残っている方をピックアップして、今後一緒にどんな仕事ができそうか、全員で案を出し合いアクションプランを練って、お仕事までの工程を明確化させています。
開発会議
白井:開発会議は、社員それぞれに課せられている仕事に関する目標を、みんなで意見を出し合って円滑に達成するための会議です。「文化祭」や「ゲーム会」など、月単位で開催されている枠のイベントの幹事を担当している人はイベントの内容をみんなに相談したり、一人で考えていてもなかなか正解が浮かばないような課題の解決に向けて、参加している社員全員で案を出し合います。
イベント以外にも、例えば僕は枠の文化を発信する広報のような役割を社内で担っているので、今月発信したい内容について社員全員から聞き取りしたり、「気持ちいい関係が増える」ってどういうことだろうね?という答えのない問いかけをしたり、普段の業務内ではなかなか難しい意見を出し合う時間として、この会議を設定しています。
白井さんいわく、「ランチ」も全社会の項目の一つだそう。「全社会の日は出社している社員全員で一緒にランチを食べています。ランチの時間は頭を空っぽにして好きなことを話すことで、発言しやすい空気が出来上がります。話すことに慣れるから、午後からの方がみんなの発言量が多くなるんです。会話の量が増えることで、自ずとアイデアやアドバイスなども増えていきます」
夜会

白井:会議など社員たちだけで行う日中のプログラムが終わったあとは、社外の方を招いた交流会を行っていて、それを「夜会」と呼んでいます。幹事がしたいことや興味があることをテーマに、毎月内容を変えています。学生さんだけを招く夜会もあれば、ただみんなで集まってゲームをする夜会もあり、幹事によって会のカラーは全然変わりますね。枠は趣味や好きなものを持ったマニアな社員が多いので、社員が自分のマニアックな部分を共有できる会を目標に毎月開催しています。
今日は〝無駄話〟をしよう。余白を生み出すための非生産的な一日

ナカタ:なぜ、毎月欠かさず全社会を行うのでしょうか?
白井:枠が「文化的な活動」を大切にしている会社だからです。文化的な活動というのは、クライアントワークとはまったく別軸で、お金を生み出すかどうか関係なく。ただただ自分たちが必要だと思っていてやっている。極めて独自性の高い活動のことを言ってます。
その一環として、エゴグラム月次会や関係環境ボードの更新を行っていましたが、それらの文化的活動をすべて一日に凝縮して「会社の売り上げとは関係ないことをする日」として、2024年1月から新しくスタートしたのが、枠の「全社会」なんです。

ナカタ:白井さんが考える、全社会を開催する上での効果とはなんでしょう?
白井:クライアントワークと並行して頭の片隅で自社のことを考えるのではなく、この日だけは全力で自分たちの会社のことだけを考えようという前提で行っているので、普段は後回しにしてしまって話に上がらない些細な相談事や、報告などを行えるのが全社会の意義ですね。とても無駄な報連相とチームビルディングの要素が詰まった一日になってると思います。
ただ、せっかく社員が集まる日なので、元々別の日にしていた「営業戦略会議」もプラスして、一日考えた非生産的なアイデアと生産をどうやって融合させるかを考えています。これも相乗効果で、一日を通してなんでも発言しやすい空気ができているので、あまりよくない報告や、普段持ちかけづらい相談も話しやすくなっている感覚があります。

ナカタ:「全社会」の今後の課題について教えてください。
白井:今年の1月に初めての全社会を開催した際は、営業戦略会議などで仕事に直結する議論が持ち上がるとギスギスした雰囲気になっていましたが、最近はどの時間も柔和な雰囲気の中、対話しています。みんながうまく無駄話をできるようになってきたから、全体の雰囲気が柔らかいものに変化したんじゃないかなって思います。
普段、頑張って仕事をしていると「無駄をいかに削るか」という作業だけに意識が向きがちですが、思い切って「今日は無駄なことを話してもいい」という一日を作ったほうが、気楽になんでも言い合える。いい余白が生まれると僕は考えています。
クリエティブ業界ではデザイナーやエンジニアやディレクターなど、色々な役割の人たちが日々思いをぶつけ合いながら仕事が進んでいきますが、「無駄話」は上も下も役割も、なんにも関係なくできるコミュニケーションの一つです。今後、枠に社員が増えたとしても全社会は欠かさず続けていきたい。たくさん一緒に無駄話ができるような人が、仲間に加わってくれたら嬉しいです。
まとめ
この日だけは通常業務をせず、社員全員が集まりクライアントワークとは違った取り組みを行うことで、社内に独自の関係資本を生み出し、さらには日々の通常業務の円滑化も手助けしている枠の「全社会」。
白井さんは「今後はすべてのプログラムをゲーム化したり、もっと遊びの要素を取り入れたい」と話し、通常業務とのさらなる区別化も画策しているそう。夜会は全社会のラストに毎月開催しているので、興味がある方はお気軽に遊びに来てください!