謎の悪臭が8時間……
牛乳とコーヒーで染めた
”スツール”をつくりました。
こんにちは! 総務担当の新宅です。
今回は布を染めて、前回に引き続きスツール制作を行いました。人生で初めての染めを経験したのですが、何故か強烈な臭いとの戦いが生まれてしまい、かなり奮闘しました。
制作工程1〜布を染める準備〜
使う布は麻布。染める原料は自宅にあったコーヒー豆を使用しました。
牛乳に漬けている間に、染料となるコーヒーから色を出していきます。
コーヒー豆(挽いたもの)をゴミネットに入れてぐつぐつと1時間煮ていきます。また、染料と布をしっかりと定着させる媒染剤もつくっていきます。
媒染剤の種類(主にアルミや鉄・銅など)によって仕上がりの色が変化するそうです! 今回は比較的入手しやすいミョウバンを使って、媒染剤を作ってみました。
40度〜50度くらいのお湯にミョウバンを入れて溶かしました。今回は少し大きめの布を染めたので、3Lほどの媒染剤を作りました。
制作工程2〜布を染める〜
そしていよいよ布を染めていきます! ここからが大変長い作業でした。コーヒー豆から抽出した染液に布を入れてひたすら煮ていきます。このとき沸騰しないように60度をキープします。
少しずつ色が入っていっていますが、このときの蒸気が本当に臭くて困惑しました。もともとの麻の臭いと牛乳の臭い、コーヒーの臭いが混ざりに混ざってしまい、換気扇を全力で回しています。
一刻も早く煮込み作業を終わらせたいのですが、なかなか色が濃くなりません。途中、染料を水で洗い流す工程を挟みながら3~4回ほど煮込み、染液のコーヒー豆の分量を増やすなどの調整を行いました。
数時間後。だいぶ色が濃くなりました。最初の布の色と比べると十分染まってますね。
このあと、布を水洗いし、先程作った媒染剤に20分ほど漬け込みます。
水洗いしたので余分な茶色みが落ち、薄いベージュっぽい柔らかな色味に変化しました。ここでようやく染め作業完了です。
しかし、大問題があり……
やはり臭すぎました。
お湯で煮れば臭いも取れるのではと安直に考えていたのですが……このまま乾かしてスツールにすると事務所が臭くなるんじゃないかと思うほど臭い布が出来上がってしまったので、水洗いの工程を洗濯機に任せてみました。念の為洗剤等は入れず水洗いのみです。
その間、なんでこんなに臭いんだろうと調べてみましたが、柿渋の臭いのみヒットして、コーヒーと麻のコンビはヒットしませんでした……謎です。もしかすると新品の麻布に糊付けがしてあり、加工の段階でのりの成分と様々なタンパク質や油分がくっついて「なかなか色が入らない」「臭い」という悪影響が出たのかもしれません。あくまで憶測ですが……。
まず布を加工する前は、一度洗濯機や手洗い等でしっかりと洗う事が大事だと身を持って経験しました。素材って本当に奥深いですね。
様々な困難を乗り越えて、スツールが完成しました。
コーヒーの色がうっすらと入っており、何度も煮込みを行ったので肌触りが柔らかくなったような気がします(?)。しかし、この布を染めるだけで8時間ほどかかってしまいました。
日頃布は既製品の物を手にする、もしくは既に衣類として作られたものを入手することが多いので、実際に染めを経験してみると「染色ってこういった工程が含まれていたんだ!」「1色染めるだけでもこんなに時間が掛かるんだ!」と色々と学ぶことが沢山ありました!
もしかしたら素材によってはもっと簡単に発色するもの(紫キャベツとか)もあるかもしれませんね。あと煮込み中は本当に謎な臭いに翻弄されてしまったので、もしご自宅でされる場合はお気をつけて……。
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