【インターン日記】大学生が知らない町の空き家と1年間向き合って思うこと②~現地調査編~

インターンの中で関わった「空き家コミュニティ×ビジネス」というプロジェクトで自分が担当したリサーチや現地(横浜)でのフィールドワークについてお話しします(地域の空き家が持つ課題や可能性も、私なりの視点で考えを書いていければと思います)。今回のテーマは、プロジェクトの中盤であり核でもある「現地調査について」です。

実際に横浜に行ってみた

打ち合わせを通して「実際に拠点を見てみたい」とお願いし、現地の横浜で実際に再利用されている3つの拠点にお邪魔しました。私は遅刻常習犯なので新大阪に7時集合は無理だなと思っていましたが、この日こそはと体に鞭打って全力で起床しました。結果、改札が分からなくて朝から駅を爆走しました(すみません)。

3つそれぞれの拠点の特徴や課題、また地域の方に聞いたアイデアなどを踏まえ、私自身が感じたことをまとめます!

拠点その① 中区大平町

〈中区大平町の拠点の外観〉
こちらは、中区の大平町にある拠点です。二階建てになっており、中は階段などが綺麗にDIYされていました。

DIYされた階段〉
使える柱はそのまま残っており、改修されながらも元の建物の雰囲気を残した乙な造りになっていました。

〈リビング〉

〈内観〉
階段の正面には、布に絵の具で描かれた大きな絵が飾られていました。この絵は、横浜のNPO法人「ぷかぷか」のメンバーさんが描かれたそうです。

〈階段の正面に掛けられたデザイン〉
些細なことですが、こういうところで地域のつながりを大事にしているのも、solar crewらしさが表れている気がします。また、この拠点の二階はコワーキングスペースとして、地域の企業の方々に利用されています。

〈拠点で使われているコワーキングスペース〉

■課題
・拠点と外装のDIYがされていない
・道が入り込んだ場所にあるので位置が分かりにくい

■アイデア
・ポストや扉などのDIYをするイベントを行ってみる
・外壁を全体的に新しく塗り替える
・トタン屋根など老朽化しているものをDIYで取り替える

拠点その② 真鶴の拠点
2つ目は、真鶴町にある拠点です。

〈真鶴の拠点の外観〉
〈入口の黒板に描かれたウェルカムボード〉

一階建ての平屋で、キッチン設備があります。各スペースのほとんどがDIYで作られていました。

〈ソファの部屋〉
〈真鶴の拠点の天井〉

部屋の中央には囲炉裏もあり、活用のし甲斐がある拠点になっていると感じました。今回お邪魔した3つの拠点の中でも一番、人が集まる図が頭の中で想像できました。

〈DIYで作られた囲炉裏と畳スペース(奥)〉

また、こちらの拠点は非常に海に近い場所にあるのが特徴です。拠点を軸に、釣りも楽しめるような個性的な立地が魅力のひとつです。

〈拠点の近くにある漁港〉

友達とドライブで遊びに来て、釣った魚を焼きながら囲炉裏を囲んだりしたら最高やな……とメモを取りながら考えてました。

真鶴町で空き家の管理をしている主婦の方々とお話をさせていただきました。
普段の生活から感じる「町の課題」と共に、実際に地域に根を張る人々だからこそ思い描ける「こんな風に使えばいいんじゃないか」というアイデアを伺いました。

■課題
・外観(外壁、ポスト、屋根など)の老朽化が激しい
・使い道の方向性が定まっていない

■アイデア
・主婦がゆっくりできるカフェとして使いたい(現状、カフェは町の離れた場所に点々としかない)
・ペットを連れて入るスペースとして利用できるようになったら需要がありそう
・子供を一緒に連れて行ける場所がほしい
・小学校の溜まり場(秘密基地)としても使わせてあげたい
・子供たちを見守ってくれるお兄さん、お姉さんがいてくれると安心して預けられる
・クライミングができる壁を設置したり、ゲームなどを置いて遊べる場所にしたら面白いかも

話を聞く中で、地元で生活を送りながら子育てをしているお母さんたちだからこそ、毎日の生活の不便さや地域課題を強く感じているのではないかと思いました。
親同士で集まる場としてだけでなく、子どもたちにも自由で充実した生活を送ってほしいという強い想いを感じました。
町の中に子どもたちが、自由に出入りできる遊び場があるって魅力的だなと思います。また、お母さんたちは「秘密基地みたいな場所にしてあげたい」とも思っているそうです。私がチビっ子だったらゲームとお菓子を持ち寄ったりしてパーティーとかしてただろうなぁと思います。

地域という狭い世界の中で生きている子どもたちが、色んな人と関われるオープンな場があることってすごく貴重な気がします。真鶴の拠点が、勉強だけじゃない学びや体験ができるにぎやかな場所になったら素敵だなぁと思います。
ママさん達のお茶会の場としても、ゆっくり話せる場所になれば面白そうです。

拠点その③ 箱根コンフォートの拠点
3つ目は、箱根にあるお屋敷のような拠点です。二階建てで、ベッドが用意された部屋がいくつもあるのが特徴的です。

〈箱根コンフォートの拠点の階段〉
〈ベッドが置いてある部屋〉

ただ、机にトランプが意味深に置いてある部屋があるのが謎でした。雨が降ってる上に霧も濃い日だったので怖かったです。

〈謎のジャック2枚〉

コナンくんとか出てくるんじゃないかと思いました。
外には露天風呂もあり、活用の仕方によってかなり魅力的な拠点になりそうでした。

〈露天風呂〉

■課題
・建物が古く、かなりの改装が必要
・アクセスが不便

■アイデア
・二階建てで広い物件なので、好きなだけDIYできる
・露天風呂もあり、避暑地や休暇中に過ごす別荘として利用できる
・大人数での合宿などにも対応できる

「箱根」といえば、関東でも有数の観光地で、美術館や博物館、寺社・仏閣や、歴史スポットなどが多数あり、大人が休暇を過ごすのにピッタリのロケーションです。
「箱根彫刻の森美術館」や「箱根ガラスの森美術館」など、著名な美術館や博物館、歴史資料館など20以上の施設がそろい、季節を問わず楽しめるのも、箱根の魅力の一つです。

今回伺った「箱根コンフォート」は、建物こそ古く築年数を感じさせる内観・外観でしたが、構造自体は趣を感じさせる洋館仕立ての空き家です。広さもあるので、個人利用だけでなく宿泊施設としても十分使えそうです。
今までご紹介した空き家の中でも、手入れ次第で「一番化ける物件では?」と感じました。

実際に空き家を巡ってみると、写真だけではわからない建物の雰囲気や、街の雰囲気などをしっかり感じ取ることができました。
「空き家」と一口に言っても、その種類はさまざま。長所も短所も空き家それぞれで、その拠点もアイデア次第では何通りもの使い方ができるように感じました。

事前のリサーチや、今回、現地でのフィールドワークで感じたことから、次回のブログでは「solar crewの将来」を模索してみたいと思います。

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