社員の性格を分析し、働きやすさを追求!
枠が行う「エゴグラム月次会」とは?(前編)
性格診断や心理テストがお好きな皆さん、こんにちは。
同じく「しいたけ占い」などをついつい読んでしまう、占い好きな広報のナカタです。
皆さんは「エゴグラム診断」という性格分析をご存知でしょうか? いくつかの質問に基づき、回答者の性格を全243パターンに割り振って分析する、いわゆる性格診断テストのことです。
枠では月に一度、社員全員の性格診断に基づいたエピソードを披露する会「エゴグラム月次会」を開催しています。

「性格診断」といっても、エゴグラム診断はただの占いや心理テストではありません。社員にテストを受けてもらい、それぞれのキャラクターを割り出して特徴を可視化することが仕事の効率化にも役立つため、数多くの企業で導入されている手法なんです。
こちらが、エゴグラム診断結果。「メインキャラ」や「サブキャラ」、「隠れキャラ」など、回答者の性格が細かく分析されていることがわかります。


毎月末に行われる枠のエゴグラム月次会では、自分の1ヶ月の行いを振り返り「そういえば、自分のこんなところが診断結果に当てはまるかも……」と思ったエピソードを診断結果とともにまとめる「エゴグラムレポート」を、社員全員が発表します。
そのレポート内容を、エゴグラム診断の専門家である社労士の先生がその場で分析し、社員たちがお互いの特性に対し、相互理解を深めることが月次会の一番の目的です。
また、枠の月次会ではエゴグラムレポートの他に、プライベートや仕事中に撮った一枚の写真を解説する「今月の一枚」、自身が感銘を受けたコンテンツについて紹介する「コンテンツレポート」も、月次会で同時に発表しています(理由は後述します!)。
そもそも「エゴグラム診断」ってなに?
枠のエゴグラム月次会についてご説明したところで、そもそも「エゴグラム診断とはなにか?」についてご説明したいと思います。
ーエゴグラム診断とは
エゴグラム とは、エリック・バーン (Eric Berne) の交流分析における自我状態をもとに、弟子であるジョン・M・デュセイ (John M. Dusay) が考案した心理テストで、質問紙法に分類されます。
バーンは、交流分析の理論をベースに人の行動(言語・声音・表情・ジェスチャー・姿勢・行動)をParent(親)、Adult(大人)、 Child(子)の「3つの自我状態」に分類しました。
そして弟子のデュセイは、P の部分を、厳しい親である CP(Critical Parent)と優しい親である NP(Nurturing Parent)に、C の部分を、自由奔放な子供である FC(Free Child)と従順な子供である AC(Adapted Child)に分類し、これら5つの自我状態が放出する心的エネルギーの高さをグラフ化し視覚的に把握できるようにしました。
CP:父親的な役割を担う批判的な親の自我状態
NP:母親的な役割を担う養育的な親の自我状態
A:事実に基づき、物事を客観的かつ論理的に理解し、判断しようとする自我状態
FC:もって生まれた自然な姿である自由な子どもの自我状態
AC:親の影響を受けた順応した子どもの自我状態
「交流分析」や「質問紙法」など専門用語が並びますが、まとめると「CP(父親)」「NP(母親)」「A(大人)」「FC(自由な子供)」「AC(順応な子供)」の5つの属性の中で、割合が高い項目をメインキャラクターに分類し、あとの4つの属性を付属的な性格として分析するのが「エゴグラム診断」の手法です。

例えば、CPの数値が高いとメインキャラクターは「父」になり、厳格で毅然とした人物であることを象徴しますが、次点でFC(自由な子供)の値が高いと、基本は厳格ながらも、無邪気な一面を併せ持つ人物だとわかります。
エゴグラム診断結果をもとに、世話好きなNP(母親)の数値が高い人物に後輩の指導を任せたり、FC(自由な子供)の数値が高い人にアイデア発案を任せたり……。エゴグラムにより各々の性格を可視化することで、仕事中のさまざまな場面で診断結果を活用することができます。

ちなみに、枠のメンバーはみんな見事にタイプがバラバラです。でも、チームを組んでいる人同士は不思議と凸凹が合わさるような組み合わせだったり、逆に仕事上の関わりが薄い人は凸同士だったり……。診断結果を見ると「なるほど!」と思わず唸ってしまう箇所がたくさんあるのも、性格が可視化できるエゴグラムの利点です。
枠では、2021年8月からエゴグラム診断を導入しています。導入のきっかけは、枠の取締役と同時に「株式会社トナカイの木」の代表である矢吹フサコさんの発案でした。
トナカイの木で導入していた診断を「円滑なコミュニケーション実現のため、枠でもどうですか?」とフサコさんが提案してくれたおかげで決まった、エゴグラム診断の導入。今回は、フサコさんご本人にエゴグラム診断との出会い、自身が感じるメリットなどについて教えていただきました。
「診断結果に、プロの助言が加わることではじめて意義が生まれる」 ー矢吹フサコさんヒアリング
ーエゴグラム診断との出会いを教えてください!
いつもお世話になっている社労士のニッキーさん (本記事最下部にプロフィール)から「お試しで受けてみませんか?」と言われたのが、エゴグラム診断との出合いでした。名前は知っていたけど、エゴグラム診断の内容は全く知らなかったので、軽い気持ちで私と、社外でよくお世話になっているパートナーさん2人でテストを受けました。
ー診断を受けてみて、どうでした?
私は人の内面を汲み取るのが苦手なので、他人の性格や考え方が可視化されるエゴグラムは画期的だと感じました。何より、ニッキーさんの分析がすごく的中していたのに驚きましたね。診断結果を渡されただけだと「ふぅん、こんな結果か」という感じだったんですが「パートナーの**さんは▲▲なところがあるので、フサコさんの■■な性格にマッチしています」というふうに細かく分析されて「そんなことまでわかっちゃんだ!」とびっくりしました。
ーエゴグラムのどんな部分に魅力を感じたんですか?
「この人はこういう人だから、こんなふうに仕事を依頼してみよう」というふうに、職場のメンバーとの関わり方を、診断結果をもとに計画立てられる点がすごくありがたかったかな。あと、メンバーさんの長所を伸ばしてあげたり、逆に短所をカバーする方法を模索するきっかけにもなりました。一人で会社を運営していると、経営者仲間にも話しづらい悩み事を抱えたりもするけれど、そんなときに性格分析のプロであるニッキーさんの手助けが得られるのもすごく助かります。自分たちで診断を受けてみて、結果を見て「へぇー」で終わるんじゃなくて、そこにプロのアドバイスが加わることに意義があるんだと思います。
ーなるほど。枠では現在、月に一度の「エゴグラム月次会」で、ニッキーさんもご参加の上で、エゴグラム診断を交えた「一ヶ月の自分振り返り発表会」をしていますよね。フサコさんの感想を聞かせてください。
私自身、枠のメンバーと昔馴染みな仲ではないので、最初のころは「この人がこの結果?イメージとちがうなあ」なんて思うことも結構ありました。でも、これがエゴグラムの面白いところで、その人の発表を毎月聞いてプライベートな一面を知っていくなかで「この人とエゴグラム結果、すごく合ってるじゃないか!」と思うようになってくるんですよね(笑)。

ーそれ、ちょっとわかります(笑)。プライベートな一面を知ると、社員の皆さんの性格がもっとよくわかりますよね。月次会のなかで「今月の1枚」、「エゴグラムレポート」、「コンテンツレポート」、「今月の一冊」を紹介する構成は、フサコさんの発案ですか?
はい、私が考えました。元々、トナカイの木でもこの形式で月次会をしていたので、枠でも同じように提案しました。仕事の原動力とプライベートって地続きだったりするので、社員さんが嫌じゃない範囲で、プライベートのお話も聞かせていただきたいなと考えた結果です。例えば「先月○○のイベントに行ってきて、散財して金欠です」なんてお話が出たら「今月はお仕事をいっぱい頼んでみようかな……?」なんて活用法もありますね(笑)。特に最近はリモートワークが定番化しているので、月次会がみんなの近況を聞けるいい機会になっていると思います。
ーエゴグラム診断を使いこなしていますね……!今後、枠ではどんなふうにエゴグラム診断を活用していけばいいでしょうか?
先ほどもお話ししましたが、各自の長所や弱点が可視化されるのがエゴグラム診断の最大の強みです。さらにニッキーさんというプロが加わることで、個人間の相性やチームのバランスまで見渡すことができます。枠も昨年からメンバーが増えて、どんどんチーム感が増しているので、お互いの弱さを補填したり、反対に強みを伸ばしていくためにエゴグラムを活用すべきだと私は考えています。枠だけじゃなく「全会社がエゴグラム診断を取り入れるべき!」とまで思っていますよ(笑)。
ーたしかに、エゴグラム診断とプロの解説で、主観ではわからない自分たちの関係性を客観的に可視化してもらえるのは、会社にとって大きな強みになりますよね。フサコさん、ありがとうございました!
フサコさんのお話でも語られていたように「この人がこんなキャラクター? イメージと違うなあ……」というような診断結果でも、毎月プライベートな話を交えてエゴグラム分析を進めるうちに「こんな一面があるんだ!」「なら、納得の結果かも」と一緒に働くメンバーの内なる一面がどんどん露わになってくるのが、エゴグラム月次会の醍醐味なんです。そこにプロの解説が加わることで、社員同士の相互理解のみならず、自分自身への認識も深まります。私自身「仕事では他人を優先するけど、プライベートでは自分の楽しみに貪欲なタイプ」と言い当てられたときは「そんなことまでバレちゃうの? 超能力者かな?」と戸惑いました。
なにより、社員全員でプライベートの話も交え、キャッキャウフフと雑談するこの時間そのものが枠の財産になっているような気もします。次回は、毎月エゴグラム月次会に参加している枠の社員・パートナーさんにインタビューを行い、参加者が感じるエゴグラム診断の利点や、仕事・プライベートでの診断結果活用方法について伺います!
■社労士 二木 由子さん
Officeあじさい・二木社会保険労務士事務所代表。「この会社で働けて良かった!」そう言ってもらえる会社づくりに、法律面と心理面の両方からアプローチする社会保険労務士。公式noteはこちら。