2周年。
枠が何の会社かを考えるため、
みんなで肉まんを食べました。
皆様。日頃より大変お世話になっております。
代表の白井です。
株式会社枠は本日無事2周年を迎えることができました。
いつも支えてくださっている皆様のおかげです。
本当にありがとうございます。
思い返してみると、1周年のブログでは会社かどうかも説明が怪しい会社ではありましたが、この1年の活動を通して、だいぶ会社としての形が見えてきましたので、進捗報告をさせていただきます。
肉まんでも食べながら、最後まで読んでください。
いらんことばかりしてた
この1年で多くの出会いがあり、多くの制作物を作らせていただきました。
一方でこの1年で撮った写真を見返していると、到底生産活動とは言えないことばかりやってました。

大体隔月更新でお題ビブリオというコンテンツを公開してきました。毎回社内外からゲストをお迎えして、テーマに沿った作品を紹介するコンテンツ。株式会社枠のYouTubeで聞けます。

弊社は社員3人に対して役員が4人もいるので、方向性をちゃんと揃えておかないと大変ということで3ヶ月に一回役員合宿を実施してきました。毎回屋外という謎のこだわりを持った役員の提案で、極寒の亀岡のカフェでわざわざテラス席を選んだり。テントサウナで話そうというテーマで琵琶湖のほとりで合宿した時は整いすぎて、誰も何も話さなかった。ただ。なんとなく気持ちいいことは何か?という意識だけは共通のものになった気がする。

誰かが「忘年会よりも文化祭をしよう」と言い出したことから始まり、気がつけば同ビル内にある全テナントと協力して(巻き込んで)各々の文化的活動のお披露目とついでに忘年会をした。文化祭の前日みたいな日々を送りたいと思った。文化祭の詳細はコチラの記事をご覧ください。

毎月何かしらの理由をつけて食べたり飲んだりした。すべての写真の真ん中に倉本(弊社ディレクター)が写っていた。非生産的活動皆勤賞で偉い。

誕生日はそのメンバー以外全員で全力で企画を出し合います。正直誕生日プレゼントと渡し方を考えてる時が一番一致団結している気がする。
非生産的活動を一生懸命やる理由
一見単なる遊びに見えるこれらの活動には経営上の理由がちゃんとあります。
僕らが会社を作るにあたって、共通で読んだ本「鎌倉資本主義」(著:柳澤 大輔)にある
地域経済資本(財源や生産性)
地域社会資本(人のつながり)
地域環境資本(自然や文化)
この3つの資本を指標化して、バランスよく増やしていくことで、それぞれの地域が多様性ある持続可能な成長を実現できるのではないか。
という発想に僕らは共感していて、社会資本を“関係資本”と言い換えて、地域だけでなく全ての組織に3資本の概念が必要だと仮説し経営しています。
僕らはお金を生み出す生産活動と同じくらい「関係」や「環境」というものをより気持ちいい状態にするための活動が組織存続のため“最も”重要だと考えてます。ゆえにいらんことばかりしています。
これらの生産と真逆の活動を「文化的活動」と呼んでいます。
枠は何の会社か?
そうやって“いらんこと”ばかりやりすぎたこともあって、周囲から「枠って何やってる会社なの?」と聞かれることが非常に多い1年でした。
何をしている会社なのか?
冒頭で書いたように、この1年で一番多かった請求書は何かしらの「制作物」に関わるものです。大体全体の8割は制作に関わる請求書なので、枠の機能的価値は何かを制作できること。つまり、枠は制作会社です。
では一体何を“制作”しているのか?
制作会社ということは制作しているものがあるということなんですが、はたして僕たちは何を作っているのか?
請求書をみると、webサイト、ロゴ、記事、動画、企業理念、オフィスの内装など。かなり幅広く、作るものを一つに絞るのは難しい。
そこで、制作の目的を考えるため制作の前段階にあたる企画書をみると、全て何かしらの関係性を改善するためのものであるという点においては共通していることがわかりました。
僕らの行動指針が「その関係は気持ちいいか?」という問いにしている以上。みんなここだけはこだわり続けて全てのプロジェクトに取り組んできました。
人間関係は、決して生産活動だけでは作られない。むしろ非生産的な時にこそ、その企業らしさは現れる。故に互いをよく知り、気持ちいい関係を作るために必要なことが「いらんこと」つまり「文化的活動」だと思っています。
僕らの提案する制作物は文化的活動(いらんこと)の一部。
つまり、株式会社枠は「(企業)文化の制作会社」です。
文化とは何か?(暫定的考え)
文化という言葉を調べると「形づくられた思考や行動様式、そして人間のもつ創造力」と出てきます。
企業で言えばビジョンや行動指針かもしれないし、飲み会でのノリみたいなものかもしれない。
地域で言えばお祭りや大富豪(トランプゲーム)のルールみたいな独自の慣習みたいなものかもしれない。
枠はそれらを発見し、周囲にも伝わるよう整型して、広げて、後世に残す。そのための制作物を作る会社です。
この非生産的とも思える活動を応援することで
・その企業が社会において必要な理由を明らかにすること
・文化の参加者(利害関係者)を増やすこと
・文化ごとその企業を未来に残すこと
のお手伝いをしています。
例えば弊社で言うと毎年10cmずつ大きくなり続ける亀を飼っています。彼の成長を見たいからという理由だけで事務所に訪れてくれる人たちがいます。
この時点で僕らは誰かが成長を願っている亀の育成者としてこの社会にいる意味があり、僕らがいなくなれば亀はどうなるの?ということになる。
亀を未来に残すために僕らは存在し続けなければいけない。
「亀を飼っている」という僕らの文化そのものが僕らの存在意義になっているんです。
だから自分たちが生きるための、そして亀を生かすための経済活動を頑張らないといけない。

文化は会社や人を未来に残すために絶対に必要で、そのための経済活動で、主従逆転させないことが重要だと思っています。
4つの事業部を立ち上げ
3期目から株式会社枠はより多角的に文化づくりをしていくため組織を再編します。
まず事業部を大きく二つに分けます。
1、クライアント文化を見つけ、作る事業部
クライアントに対して3つのアプローチで「文化づくり」のお手伝いをします。
◯ワークショップ事業部
アイデア出しや一つの制作物を作っていく過程でチーム作りのサポートをします。文化は自ら活動する人がたくさんいることで成長していくものだと考えています。組織内に“自分ごと”として行動できる人を増やすため、共通のテーマを持って考え、共に制作物を完成させるワークショップを実施します。
◯プロデュース事業部
その組織がそもそもどんな文化を持っているのかを様々な利害関係者との対話の中で発見し、コミュニケーションすべき相手である「文化の参加者(利害関係者)」が誰かを明らかにし、気持ちよく対話していくための媒体(webサイト、空間、イベントなど)の開発をプロデュースします。
◯リサーチ事業部
対象となる組織やその周辺にある社会における文化的活動の価値や課題を記録(動画や文章)という方法を用いて調査します。収集した記録はのちに、価値を外に伝えていくための素材にもなります。文化の発見から発信までをワンストップで行います。
2、枠の文化を作り、守る事業部
文化とは常に現在進行形で更新され続けているものであると考えてます。それは弊社も例外ではないので、常に更新し続ける事業部を作りました。
◯管理本部
枠の文化的活動を計画、企画、実行します。つまり“いらんこと”をする部署です。ここで生まれたことで、他の組織の文化づくりの役に立つものがあれば広げていく、サービスの「実験」と「開発」の事業部でもあります。
また、もう一つの機能として、増え続ける3つの資本を様々な専門家と協業し守るバックオフィス機能も担います。
文化をファーストバイトしたい。
文化の発見には常に他人の存在が必要だと考えています。例えば最近テレビで見たのですが、ある島の上空を飛ぶ飛行機を崇拝するカーゴカルトと呼ばれる物質信仰を行っている部族がいるそうです。しかし、それは周囲に発見されなければ、彼らにとってはただの生活の一部でしかありません。(参考)
比較すべき周囲の存在と比較する人がいて、はじめて文化と定義されます。他人に発見されて初めて文化になるんです。僕たちはその第一発見者になりたい。
文化は肉まんのように厚い皮に覆われていて、外から思いっきりかぶりついて初めてその中身の美味しさ(面白さ)を知ることができるものだと思います。そのファーストバイトをしたい。味わった者の責任として、おいしさをちゃんと世の中に伝えていきたい。
という理由で今期の目標は「肉まんを食べる」にしようと思います。まだ本人たちは気がつけていない価値を僕らがいっちょ噛みし、世の中に肉の部分の味を伝えます。
というのは一旦僕の目標ですので、他の代表陣から一言ずつ今期の意気込みをいただきます。
上ノ薗
白井は文化を肉まんにたとえていますが、僕はその肉まんの状態にも着目すべきだと考えています。特に大事なのは「温度」です。高温のできたての肉まんを想像してください。湯気が立ち、柔らかくて、ほかほかした肉まん。かぶりついたら出てくる肉汁。そう、僕はあの肉汁が憎いです。なぜなら僕は猫舌だからです。最初のひと噛みの旨さは認めますが熱いのは辛い。それなら石をかじった方がまし。ファーストバイトは他の皆様に譲ります。
僕は冷めて肉汁も出ないしやや固くなったけどそれでも美味しい肉まんを文化ではなく枠の今期のあり方として目指していきたいと思っています。すなわち発見されたてのほかほか熱量の柔らか肉まん文化を創る(発見する)枠という会社は、むしろ石のように硬くあるべきだと考えます。
柔軟さ、しなやかさが人にも企業にも求められると言われていますが、枠としては硬くあることで「枠」としての役割を発揮することを意識したい。何やってる会社なの?と聞かれてふわふわした回答をし、相手も察してくれてそれ以上聞いてこないそのゆるふわな関係に硬度を与えたい。石にかじりついてでもやり遂げる所存です。
最後に。最近カタいならぬカタンにハマりだしたので練習相手募集中です。弱いので覚悟してください。
堅い挨拶で恐れ入りますが3年目もよろしくお願い申し上げます。
岡崎
文化とは誰か一人の意思によって決められたものではなく、日々の生活の中で自然に醸成されるものです。それはまさに亀のように時間をかけて、徐々に変化し成長していく様子に似ています。(余談ですが、亀の甲羅って木の年輪みたいになっているんです。)
明確にこれが文化だと言葉にするものではなく、気づかないうちに行動や価値観が共有され、組織やコミュニティの中で機能していくのが「いい文化」なんじゃないかなと勝手に解釈しています。亀のように徐々に文化を育て広げていくことで、創業当初から追求してきた「その関係は気持ちいいか?」につながるコミュニティを作っていく。同時に各地の「気持ちのいい」文化を持ったコミュニティを見つけて、繋がりを作っていたり、「気持ちのいい」文化を地域や住む人たちと一緒に作っていく。そんな長い道の第1歩の一年にしていきます。
僕らの肉まんを食べてくれる方も募集
当然僕たち自身の文化も誰かに食してもらうことでしかわからないと思っています。どんな味がするかわかりませんが、まずはご近所の皆さん。すでに枠を知ってくださっている皆さん。これから出会う皆さん、
肉まんを配りますので、是非かじって味を教えていただけたら嬉しいです。
今年も文化祭やるよー

集合写真<木村華子>