【枠の文化】「関係・環境ボード」を紹介します
枠の「関係・環境ボード」
枠のオフィスに入ってすぐ、いちばん目立つ壁に「関係・環境ボード」が貼ってあります。
これは代表から社員までの全員で、この1ヶ月の「関係・環境資本」を管理するためのもの。

枠では三資本制をとっています。
売上や利益といった会社ならば当然管理せねばならない「経済資本」に加えて、社内外の人や組織とのつながり(関係資本)、会社を取り巻く環境(環境資本)の3つを大切にしていくことで、この会社が何に支えられ、そして何を生み出しているかをお金だけではない指標で評価しています。
「関係資本・環境資本」を可視化する
しかし三資本制を掲げたは良いものの、「経済資本」を計測・管理する手法は世の中に十分にありますが「関係資本・環境資本」を管理する方法は世の中にまだ(私たちの知る限り)ありません。企業のSNSアカウントのフォロー/フォロワー数やエンゲージメントなどがそれに近い気もしますが、しかしそれらの数字も「経済資本」に絡め取られてしまうことが往々にしてあります。
まずは手始めに、アナログな方法で「関係資本・環境資本」を管理し始めたのが、「関係・環境ボード」です。
日々、社内メンバーが「関係・環境」の気づきを貼り出す
ボード(といっても、使い続けて皺くちゃになった模造紙ですが)に、代表から社員まで、気づいた人が気づいた時に付箋を貼り出す。
ボードの上半分は「社外」、下半分は「社内」という線引きです。
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新しく出会った人
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関係が深まった人(一緒に飲みにいった、など)
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関係に課題がある人(最近接点が少ない…など)
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会社を取り巻く環境の良い変化(新しい備品を買った、掃除をした、など)
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会社を取り巻く環境の課題(〇〇の汚れが気になる、〇〇の置き場に困る、など)
「関係」と「環境」、「ポジティブ」と「ネガティブ」で付箋の種類を分け、さらに「コメント」用の付箋でリプライを書き込むこともできます。

それぞれ、気づいた時にパッと付箋を取って書き出す。
普段リモートワークであまりオフィスに来られないメンバーも、これを見て会社を取り巻く関係・環境について社内メンバーが何を思っているのかがわかり、またコメント付箋でその思考の流れに参加することもできる。
月のはじめに、先月のボードに貼り出した付箋をスクラップブックに貼り替え、「今月の関係・環境ボード」としてまたまっさらなボードに付箋を1ヶ月間、貼っていきます。

新しいツールには、思わぬ使い方が生まれる
「ボードを作ってみたものの、みんなちゃんと書いてくれるかな…」と半信半疑で人事役員が導入した「関係・環境ボード」でしたが、どんどん付箋が貼られていくのが枠という会社の良いところ。(もちろん、裏で「ヤベッ、全然書いてないから書かなきゃ!」みたいな社員の雰囲気やお互いへの声かけもあったようです。笑)
それだけでなく、当初は想定していなかった使われ方も社員たちが生み出してくれました。(得てしてポジティブに生み出された新しいツールは、予定外の新たなクリエーティビティを触発するものです。)
社内イベントの告知ポスターを貼る
社員企画のランチ会や社内飲み会など、社内イベントの告知はSlack等のチャットツールを使用することが多かったですが、このボードにポスターを貼るようになりました。
イベントの記念写真を貼る
社員の1人が、飲み会やイベントのたびに撮った写真をプリンターで印刷してボードに貼り出し始めました。
メッセージメモを貼る
「人からもらった手書きの伝言メモが捨てられない」という人が枠には多いです。(ちなみに筆者の私はバンバン書くしバンバン捨てる方です。)これも「関係資本」として社内に共有できるものはこのボードに貼っています。
お店の名刺やステッカー
美味しいお店に行ったら、みんなにもオススメしたくてショップカードを持ち帰る…でもそれを共有するのは結局Slackだったりして、WEB情報の方が結局早い(でもショップカードというアナログなツールの良さも捨てがたい)。そんな時に、このボードが活躍しています。
社外の人も書く(!)
最近では、この「関係・環境ボード」に興味を持った方が、オフィスに立ち寄ったついでに自分で付箋を記入していってくれるようになりました。
後日、「〇〇さん、来てくれてたんだ!」というのを本人の筆跡で知るのは良いものです。


「関係・環境ボード」の貼り替えが最も豊かな時間

模造紙に付箋を貼り出し、それを毎月スクラップブックに貼り直す…「効率」「生産性」基準で考えればあまりにも非効率で非生産的な管理手法です。
ですが、この「スクラップブックに貼り直す」作業にこそ、この「関係・環境ボード」が、個人的には最も豊かで贅沢な時間だと感じます。
1ヶ月はあっという間に過ぎていきますが、その中で何があったのか思い返すと細かいことは忘れているものです。
その場にいるメンバーたちと協力して付箋や写真を1枚ずつ剥がしながら「こんなこともあったね」「これ楽しかったね」と振り返る。課題の付箋は「そういえば、まだ何も手を打ててなかったね」と思い出して、スクラップはせず未解決のものとして翌月も貼り出したままにする。

この1ヶ月間、どんな人たちに枠が支えられてきたのか。
誰が(時には人知れず)この会社の環境を良くするために考えを巡らせてくれたのか、行動を起こしてくれたのか。
自分の知らないところでみんながどんな顔をして、どんな時間を過ごしていたのか。
1枚、また1枚とページに貼るたびに、そこに感謝が生まれます。
このスクラップブックの厚みこそが、「関係資本・環境資本」の積み重ねでもありますし、オフィスの本棚が圧迫されることを恐れず、もっともっと厚くしていきたいと思います。
とはいえ、もっとオシャレにしたい
そうは言っても、これはまだプロトタイプの実験用の模造紙です。
社内に定着し、上記のような価値も発揮できることがわかってきたので、今後はもう少しオシャレな見栄えで本格的にオフィスに備え付けようと思います。
また新装版「関係・環境ボード」が完成したらご報告しますので、楽しみにしていてくださいね。
